「ノーペイン・ノーゲイン」は英語の諺で、「痛み無くして、得るもの無し」、「労力無くして、得るもの無し」と言えます。私はこの諺を26歳のときに知り合いから教えてもらいました。当時、なかなか度胸が無くて諦めていた自分に、その友人の一言で勇気が沸いてきて、自分自身を震え立たせていったことを記憶しています。
それ以来、大変なことがあっても、あまり気の進まないことがあっても、また苦手な人前で話すことであるときも、いつも前向きに考え、これらの経験をすることによって、自分が成長することを想像し、この諺を思い出して前へ進んで行くようにしています。
ここで2つの話しをさせていただきます。ひとつめは、自分と同じ意見や思いを持つ他人とそうでない他人のことです。人間は比較的、自分と同じ意見や思いを持つ人に対して、「好感が持てる」と認識します。また自分と同じ意見や思いを持たない人に対しては、「あまり好感が持てない」と思い易いです。
ふたつめの話しは、私の子育てからの経験です。子供が悪いことをしたのでお尻を強く叩いて叱りました。しかし、この光景を他人が見ると、私が子供を虐待しているように見られるのだろうなと思いました。お尻を叩いて叱る行為は同じでも、私の心に愛情があれば「躾」となり、愛情が無ければ「虐待」だなと感じました。親はその子供が良い人間になって欲しいから、その子供のことを思って叱っているだけなのです。
先月、システムエンジニアの方が弊社に入社しました。当然弊社の中では最もその分野に長けている方です。最初からその知識を持っているわけではありません。これまで多くの時間と費用を費やしてその知識を習得されたのだと思います。ゆえに、その方もご自身の「ノーペイン、ノーゲイン」を歩んで来たのだと想像します。
今後彼に弊社の効率改善なども含めて取り組んでもらう予定です。そのため、私達がこれまで慣れていた業務内容でも「もっとこのようにする方が良いのではないだろうか」と意見をしてもらうことがあると思います(実際に私自身、既にいろいろと意見をいただいております)。人間は、普段自分がしていることに意見をされるのはあまり好きではありません。しかし、前述の話しのように彼の思いは弊社が良くなることであって、私や社員を嫌っているわけではありません。良かれと思って意見を述べてくれています。
ここで人間性が現れてきます。その意見を素直に聞ける人と聞けない人です。私は弊社が良い会社になるために、その意見を聞くことが出来る人なのか、それとも自分のプライドが邪魔をして、彼の意見を素直に聞くことが出来ない人なのか。これからも、私の「ノーペイン、ノーゲイン (NO PAIN, NO GAIN)」は続いていきます。