誰も未来のことを完全に知ることは出来ません。自分の思っていない状況に進んでいくことも時にはあるかも知れません。しかし、その確定していない未来の出来事に対して私たちは予測することが出来、またその予測することに対して、今出来る最善の方法を選択することは可能です。
先日、地盤調査をした案件がありましたが、後日そこは隣地であって、ご依頼をいただいた調査地で無い宅地で調査を実施したことが判明しました。ここで私たちの選択肢として、①当然、速やかに発注者に報告すること、②発注者も気が付かないだろう、という思いが起こります。誰もが大問題にならない方を選択したいと思うのではないでしょうか。
それは未来永劫、誰もその事実を知ることが無ければ問題にはならないのですが、後日事実が判明して社会的大問題となったニュースを度々私たちは目にしています。追加費用や時間延長などの要素が関係すると、このまま無かったことにする方が好ましいと誰もがそのような誘惑に駆られるのではないでしょうか。
しかし、もしその問題が明るみに出てしまったことを少しでも考慮するのであれば、後で取り返しのつかない状況へと発展してしまうことが予測出来ます。そのようなケースになる確率が高かろうが低かろうが、可能性があるのであればそうならないようにするために今出来ることは何であるのかをしっかりと考える必要があります。
上記はリスク管理の話しではなく、人の誠実さの話しなのかも知れません。いずれにせよ、先々に考えられるケースを予め検討し、少しでも問題が大きくならないように対処することはとても大切です。勿論、私たちは速やかに発注者に報告することをしました。結果として、お施主様からも工務店ご担当者様からもご理解をいただき、安心していただき、最後は笑顔でご挨拶をすることが出来ました。
業務においては目先のことだけにとらわれず、今後発生しうる可能性をいつも考えるようにご対応したいと思います。また個人的なことですが、将来における経済的自立や健康面など、今から予測出来ることをしっかりと考え、それらの問題が最小となる手立てを今から始めていきたいと思います。