これまで「標語」を掲げていましたが、ネタが尽きましたので今後「ひとこと」に変更し、継続していきます。
ビイックの本社は東京都にあります。そして来月7日には、東京都知事選挙があります。前回の2020年を上回る候補者数になるようです。ここで、直近の東京都内選挙の投票率を列挙させていただきます。
八王子市長選 1月21日 38.66%
府中市長選 1月28日 33.78%
青ヶ島村長選 1月28日 86.13%
目黒区長選 4月21日 36.21%
目黒区議選 4月21日 36.21%
福生市長選 4月28日 35.03%
衆議院補欠東京15区 4月28日 40.70%
奥多摩町長選 5月12日 68.30%
東京都議選 5月26日 24.19%
港区長選 6月2日 30.62%
青ヶ島村長選と奥多摩町長選を除くと、概ね投票率は40%未満となっております。
総務省から公表されている投票率グラフがありました。1967年までは70%以上の投票率があり、1995年までには60%台の投票率となり、それ以降は50%台となっています。
衆議院・参議院選挙の投票率はこちら。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/index.html
また年代別の投票率では、年齢が若くなるに従い、投票率が下がっていることがわかります。ただでさえ少子化が進んでいるのに加えて、若者の投票率が低いのであれば、彼ら彼女らの思いは当然社会に反映されません。
年代別の投票率はこちら。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
海外に目を向けて見ると、オランダやスウェーデン、台湾、アメリカなどで70%以上の投票率となっています。また途上国の投票率も高い状況となっています。投票率が高くなる傾向として、自分の意見をしっかり社会に伝えていくという個性や文化であったり、家庭内で政治の話をしている環境があるということが言えます。また政治が安定していない国の国民は自分の生活に直結していますので、政治に関与するため積極的に投票に行く傾向があります。
他方、日本はどうでしょうか。今年4月28日の東京都15区衆議院議員補欠選挙では投票率が40%で得票率28.9%の候補者が当選しました。割合で言うと、0.4*0.289=0.1ですので、殆どの人は賛成していないけれど、ごくわずかの投票者によってその候補者が当選したことになります。これではもう民主主義の崩壊としか言いようがありません。
日本の投票率が低いのは、「政治に全く興味が無い」「自分が投票しても社会は何も変わらない」と考えているのでしょうか。また、日本を動かしているのは官僚で、政治家が変わっても私たちの生活に大きな変化を感じないからかもしれません。もしかすると、投票したいと思う候補者がいないというケースもあるでしょう。これは一番残念なことですが。
国会議員においては、「経済」「国防」「外交」など大きな役割があります。新しい法律を施行して数年から数十年後にやっと効果が表れるものもあります。そのため、想像力を働かせて10年後20年後やそれ以降の日本の姿をイメージしていく方に議員になってもらいたいと願います。そのためには、まず自分たちが生まれ育った国を良く知り、その歴史を学び自国を愛する気持ちを育むことが必要でしょう。議員になることが家業となっているケースもあります。これでは自分のために議員になるのであって、国益はおろか、国民のための働きをすることは全く無いでしょう。
東京都の予算は8兆5000億円もありますが、現都知事は築地市場から豊洲市場への移転に関して安全かも知れないが安心では無いということで、移転延期に伴う補償金などかなりの出費がなされたようです。またコロナ時にも東京都が備蓄していたマスクや防護服を他国に寄付をして、自分たちが必要になったときにそれらのモノが不足するという事態にもなりました。東京都民の意思であれば納得も出来ますが、税金で購入した備品にも関わらず、まるで私物のように勝手に扱われていることに心穏やかではいられません。
投票する私たちが賢くならなければ、候補者には全く刺激が無く、寧ろ馬鹿にされているとも言えます。1955年、保守政党である「自由党」と「日本民主党」が合併して、「自主憲法改正」を党是とする今の「自民党」が誕生しました。現総理は自分の総裁任期中に憲法改正をすると公言しましたが、時間的に今国会中に実行することはほぼ難しいようです。来年で結党70周年になりますが、いつになったら党是である憲法改正をするのでしょうか。
前述のように自分が投票しても何も変わらないと思っている人がいるのであれば、それは違います。有名人だからあの候補者に投票したということに替えて、自分たちの生活がより良いモノになるように、国民や都民の方を向いて働く方や自治体にとって益となる方を選んでいく責任が私たちにはありますし、それにより私たちの生活も豊かなモノに成っていくと信じます。
日本人の特徴として、あまり他人とは争わない傾向があります。相手の意見をなるべく受け入れる包容力と忍耐力があります。しかし、その忍耐力を超えてしまうと一切を拒む性質もあります。いわゆる「堪忍袋の緒が切れる」というものです。2009年の政権交代はまさしくそれであったと思います。同じことが再び起こるのか、今後の選挙に注視していきたいと思います。