表面波探査法による住宅地盤調査のビイック株式会社

「震災対策技術展_横浜」に行ってきました

 2月3日に「震災対策技術展_横浜」に行ってきました。今回は主にセミナーに出席するようにしました。午前中は「東京都の耐震化推進に向けた取組(東京都)」、「災害現場における警察活動について(警察庁)」、午後は「「熊本地震から295日」被災地の現状と課題(弁護士)」のセミナーです。

 東京都では救急要請があった際、その目的地に到着出来る割合が82%とのことでした。これは「特定緊急輸送道路の耐震化率」と言うそうです。緊急車が通行する道路を倒壊した建物が塞いでしまうために目的地に到着出来なくなるそうです。従いまして道路を塞ぐことが無いように公的資金により建物の耐震化を向上させるとのことでした。

 公共の安全のために、公的資金で賄われるのであればその建物の所有者はある意味お得であると思います。しかし、特定輸送道路に面していない建物は自費で耐震化を図る必要があります。築年数の経過した建物に住んでおられる多くの方は年金暮らしかと思います。誰でも耐震性のある建物に住みたいと思いますが資金が無ければどうすることも出来ません。そのため、所有者は「その時はその時」とある意味開き直ってしまわれているのが現状です。

 でも実際問題として、ご自身の建物が倒壊して緊急車が通行出来ず、そのためにどなたかの命が助からなくなるのであれば自分ひとりの問題ではありません。私たち日本人は「人様の迷惑にならないように生きる」と幼いときから学んでいます。地震により倒壊する建物であるならば他人に迷惑をかけてしまいます。

 また検察庁のセミナーでは倒壊した住宅の救助活動をしているニュース動画を見せていただきました。いざというときに人命救助をされるレスキュー隊員の方々に対して本当に頭の下がる思いでした。彼らは3日間、自活することが条件で他県から救助に来られるそうです。人の救出される猶予時間が72時間だからだそうです。ニュース動画にはいろいろな色のユニフォームを着ているチームが映し出されていました。本当に多くのレスキューの方々が活躍されていました。

 あるレスキュー隊の方々がひとりの男性を救助し、歓声が上がっていました。私も本当に胸が熱くなる思いでした。しかし、アナウンサーの言葉がそれを打ち消しました。その救助された男性は地震時、一度は屋外に避難されたそうですが、飼い犬が気になって家に戻り、そのとき住宅が倒壊して身動きが取れなくなってしまったそうです。

 この男性にとっては家族同様にその飼い犬を大切に思っていたことでしょう。しかしもしこの男性が命を落としていたらと考えると、もう少しご自身のご家族のこともお考えになられてはと思いました。またこの男性の救助が無ければレスキュー隊の方は他の人の救助に行けたのではと思うと、ある意味他人に迷惑をかけてしまう行為であったとも言えます。

 ひとりひとりが勝手な行動をすると、二次災害が増え続け、他人に迷惑をかけてしまいます。災害時はなおさらのことかと思います。東日本大震災では整列して支給品をもらう日本人の姿に、世界中の人々は日本人の気性を見られたのだと思います。「他人に迷惑をかけない」という日本人の本質が今後受け継がれていくことを願っています。

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