不同沈下事故を防ぐ

 小社は表面波探査法という機器を用いて地盤調査を業とさせていただいております。世の流れと言いますか、私達も「地盤保証」という商品を取り扱っております。お陰さまでこの地盤保証業も23年になりました。これまでは「10年間の地盤保証」のみでしたが、今年度から「20年間の地盤保証」も開始することになりました。勿論損保会社さんと契約をさせていただいている裏付けのある地盤保証商品です。

先日ある業者さんから表面波探査法の沈下事故発生率を教えて欲しいというご要望をいただきました。そこで 算出した数値は過去11年間で、0.007%でした。地盤調査受付時にいただいたいた情報と実際に現場状況とに差異があり、きちんとした情報をいただいていればもう少し沈下事故を防げたかと思います。

これまでの沈下事故発生原因は、①盛土造成後3年以内の地盤、②擁壁埋め戻し3年以内の地盤、③建設住宅周辺の地盤状況変化(近隣盛土、地下水汲み上げ、大規模な掘削)などです。 これらの地盤に対する対策方法を基礎判定フローに含めることにより、沈下事故を防いできました。

このような地盤がやや軟弱気味であればお施主様は工務店様の納得を得やすいのですが、地盤調査結果の数値が良好であるときの対策提案に対してなかなかご納得をいただけないこともあります。しかし、新しい地盤は、土中に水分や空気などの空隙が存在していることから住宅荷重の有無に関わらず、やがて沈下する性状があります。そこのところを丁寧にご説明させていただいております。

木造2階建の地盤に対する荷重は、20KN/㎡程度です。体重60kgの方が足のサイズ25cmで片足で立ったときの地盤に対する荷重とほぼ同じです。それほど重たくない住宅荷重ですので、住宅荷重で地盤が沈下するというよりも地盤の変状に影響し易いと言えます。いかに安定した地盤に住宅を建設することが重要であるのかがわかります。いろいろとお叱りをいただくこともあると思いますが地盤の専門家として適切な基礎判定をこれからも実施していきたいと考えております。

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