本記事では、住宅の不同沈下の発生原因と修正するための費用負担を軽減する地盤保証について説明します。
また、地盤保証と住宅瑕疵担保責任保険との違いについて解説しますので、是非最後までご覧ください。
住宅が一定方向に傾く不同沈下が発生すると、日常生活に支障が生じたり健康が損なわれたりすることがあります。また、修正するには高額な修正費用が必要になります。
住宅瑕疵担保責任保険は、修復費用の支払いのみとなりますが、地盤保証は事故原因を特定して再発をしない修復工事を行います。
下記に住宅の不同沈下と地盤保証について解説します。
不同沈下とは
国土交通省告示1653号( 住宅の品質確保の促進等に関する法律=品確法)では、6/1000以上の傾斜が認められた場合、構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高いと記載されています。そのため、6/1000以上の傾きが生じたとき不同沈下している可能性が高いと判断することが多いようです。
但し、住宅瑕疵担保責任保険では、以下の決まりごとがあります。
① 新築する建設工事の完了の日から起算して10年以内に発生した事象であること
② 通常予測できない自然現象の発生、居住者の不適切な使用その他特別な事由の存しない通常の状態において発生した事象であること
③ 傾斜は、3m程度以上離れた2点の間を結ぶ直線の水平面に対する角度とする
地盤保証のほとんどは、上記条件に合わせた保証内容になっていますが、最近では、保証期間が20年間・5/1000以上から保証対象にすることが主流となっています。
不同沈下の発生原因
不同沈下事故原因は、様々な要因が考えられます。
いくつか沈下事故が発生する要因について説明します。
① 盛土が要因となる場合
盛土は、傾斜している土地や前面道路より低い土地などに行われることが多く、非常に不安定で不同沈下が発生する原因になります。
盛土する場合は、砕石やセメント系の固化剤を混ぜて転圧するなどの対策が必要になります。
② 地盤自体が軟弱な場合
住宅を建築する場所の地形が谷地や後背湿地、旧河道などの場所では、軟弱な地盤であることがあります。
このような場所では、自然に少しずつ地盤が沈んでしまったり新しく建てる住宅の荷重によって沈下してしまったりすることがあります。
③ 地盤の補強工事の施工が悪かった場合
セメント系の固化剤を地盤に混在させる補強工事で固化剤の添加量や攪拌が不足している、鋼管杭が支持層に届いていないなどの施工不良が原因になることがあります。
他にも様々な不同沈下事故の要因が考えられます。不同沈下事故を防ぐためにも、しっかり地盤調査を行い適切な対策を実施することが重要です。
不同沈下事故と地盤保証について
不同沈下事故の修正費用は、1,000万円を超えることがあります。
高額な費用が必要になりますので、住宅瑕疵担保責任保険を利用するか地盤保証を利用することが多いようです。
以下では、住宅瑕疵担保責任保険と地盤保証の違いを解説します。
住宅瑕疵担保責任保険概要
新築住宅を供給する住宅事業者様は、2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)により、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の設計ミスや施工ミスによる欠陥(瑕疵)に関して、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負っています。しかし、住宅事業者様が倒産等によって修理等ができなくなった場合、住宅取得者は、自ら修理を行うか、建て替えを行わざるを得ないなど多額の負担が生じることになってしまいます。
このため、住宅取得者の利益の保護を図ることを目的に、2007年3月「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)が成立し、2009年10月以降、住宅事業者様は、住宅瑕疵担保責任保険への加入などにより住宅取得者の負担にならないように法改正されました。
住宅瑕疵担保責任保険のしくみ
住宅の不同沈下事故は、品確法上住宅の造耐力上主要な部分の『基礎』に該当する為、保険適応の対象になります。
但し、住宅事業者様は、不同沈下事故に至った経緯を調べて保険会社への報告や、修正業者に見積を依頼するなどの作業が必要になります。
保険会社は、不同沈下事故原因と修正費用の見積額を審査して認容額を確定することになります。この時、不同沈下事故原因と修正費用の見積額との整合性が取れているかが認容される金額に影響することがあります。
保険会社から支払われる修正費用は、認容された金額の80%となります。残りの20%は、住宅事業者様の自己負担になります。
修正費用は、高額になることが多いため20%の自己負担であっても費用負担が大きくなることがあります。
地盤保証概要
地盤保証は、地盤調査会社などの地盤保証会社が大手損保会社に保険契約を締結し、不同沈下事故の修正工事を行います。但し、地盤保証会社が提案する基礎提案に従った施工を行って頂く必要があります。
地盤保証のしくみ
不同沈下事故が発生した時は、沈下事故原因の調査や修正工事の見積の作成を地盤保証会社が行います。住宅事業者様が行う必要がありませんので、作業負担を軽減することができます。
また、修正費用は損保会社が認容した金額の100%が上限になります。
そのため、住宅瑕疵担保責任保険を利用するよりも費用負担と作業手間を軽減することができます。
また、保証期間が20年の商品も販売されており、長期間の安全を担保することができます。
まとめ
不同沈下事故の修正は、住宅事業者様にとって高額な費用が必要になること、作業手間が増えるデメリットがあります。
そのためには、信頼のおける地盤調査会社で調査し地盤保証を利用しておくことでデメリットを回避することをお勧めします。
また、お施主様にとっても地盤保証を利用することで安心して建築を任せられる判断材料になるのではないでしょうか。
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