SWS試験とは?特徴や地盤調査方法などを詳しく解説!

SWS試験とは、土地の地盤強度を調べる簡易的な方法です。狭く傾斜がある場所でも調査が行えるほか、比較的安価に測定できます。この記事では、SWS試験の特徴や地盤調査方法などについて解説します。

SWS試験とは、土地の地盤強度を調査するための簡易的な方法のひとつです。ほかの調査方法に比べて比較的簡単に実施できるほか、スムーズに進行させることができます。
費用は土地や地盤の状態によって大きく異なりますが、一般的には安価であることも強みです。また、場合によっては別の方法を実施する必要があります。
この記事では、SWS試験の特徴や方法についてまとめました。興味を持たれている方はぜひ参考にしてみてください。

SWS試験とは
SWS試験は正式名称を「スクリューウエイト貫入試験」といい、土地の地盤強度を調査する簡易的な方法のひとつです。1976年に日本工業規格JIS A 1221「スウェーデン式サウンディング試験」として制定されたのち、2020年10月26日のJIS規格改正により「スクリューウエイト貫入試験」へ名称が変更されました。

 

SWS試験の方法
SWS試験は、3.3cmのロッドの先端に円錐状の先のとがったスクリューポイントを取り付けて最大100kgの荷重を加えながら垂直に地面に貫入させます。その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。
ロッドは25cmごとに区切られており、それぞれの深さでロッドに荷重をかけたり回転させたりしながら貫入抵抗を測定します。この操作を繰り返し行い、地盤の状態を連続的に把握していきます。

 

 

 


次にSWS試験について重要になる特徴や適応範囲と測点数、追加調査について詳しく解説します。

SWS試験の特徴
SWS試験は、以下の特徴があります。
・深さ約10m~15m程度までの地盤の強度や締まり具合を簡易的に調べることができる
・狭小地や傾斜地でも調査を行うことが可能
・調査は比較的簡易的に行えるほか、比較的短時間に調査することが可能
・主に戸建住宅など小規模建築物の地盤調査に利用されている
・鋼管杭や柱状改良など地盤改良工事の本数や改良深度の設計に利用されている
・簡易的に土質や地下水位を把握することが可能。ただし、さらに詳細な地盤情報が必要な 場合は、ほかの調査方法と組み合わせることが望ましい。
・地中内に解体ガラなど異物が混在している場合、異物が影響し実際の地盤強度と異なる数値になることがある

適応範囲
SWS試験の適応範囲は、一般的には地表面から深さ10〜15m程度までとされています。
調査深度が深くなるほどロッドにかかる摩擦力は大きくなるため、データの精度は低下しやすくなります。そのため、15m以上の深い支持層の確認が必要な場合や、硬質な地盤が広がっている場合には、ほかの調査方法を検討する必要もあるでしょう。

測点数
戸建住宅の場合、一般的にはSWS試験の測点数は5点(建物の四隅と中央)とされています。ただし、建物の規模や形状、敷地の広さなどに応じて、測点数を増やす必要がある場合もあります。
測点数が少なすぎると、局所的な地盤の弱点を見落とすおそれがあります。しかし、逆に多すぎると費用が高額になってしまいます。適切な測点数は、地盤の状態や建物の特性を考慮して、専門家と相談しながら決定することが望ましいでしょう。

追加調査
SWS試験を行った結果、局所的にきわめて軟弱な地盤が確認された場合や、ロッドの貫入が途中で止まってしまった場合などには、追加調査を行う必要があります。
追加調査でも地盤状況を把握出来ない場合は、解体時の掘削状況や異物の混在状況を解体業者や工務店などに確認する必要があります。異物の混在状況によっては、表面波探査法やボーリンク調査など別の調査で計測することも検討したほうが良い場合があります。別の地盤調査会社にも相談することをお勧めいたします。

SWS試験の費用
SWS試験の費用は、ほかの地盤調査方法と比較すると安い傾向にあります。一般的には 20,000~60,000円前後で実施できるケースが多いです。
ただし、調査対象の土地の広さや地盤の状態、調査ポイント数などによって費用は変動します。具体的な費用を把握したい場合は、事前に依頼する業者から見積もりを取りましょう。

SWS試験の結果は地盤改良工事になりやすい
SWS試験は、地盤の硬軟や締まり具合を簡易的に調査する方法です。得られた結果は、地盤改良工事の必要性を判断するうえで重要な指標となります。一般的にSWS試験でロッドが自沈する(荷重をかけただけで回転しないで沈み込む)場合は、地盤が軟弱であると判断され、地盤改良工事が必要となるケースが多いです。SWS試験は、細い3.3cmスクリューポイントに最大100kg荷重を地盤にかけ必要以上の力で土を破壊しながら計測するためです。土質の中には、破壊されるともろいが破壊されなければ強いものもあります。(例:関東ローム層など)
もし、SWS試験で調査を行い納得できない地盤改良工事を提案された場合、ほかの調査方法や専門家による判断を仰ぐことも検討してください。
特に地盤調査と地盤改良を兼務している会社は、地盤調査結果が軟弱判定となると、自社で施工が出来る得意な地盤補強の提案をされる場合もあります。
その際に地盤調査結果を鵜呑みにせずに、下記に記載の表面波探査法などの別の調査方法の検討や、セカンドオピニオンなどを利用して本当に地盤補強が必要なのか確認することも重要です。

SWS試験と表面波探査法
地盤調査を行う方法は、SWS試験だけではありません。表面波探査法と呼ばれる別の方法を用いて調査することも可能です。

表面波探査法とSWS試験との違いの詳細はこちらをクリックしてください

表面波探査法とは
表面波探査法は、地表面に設置した起振機で発生させた表面波(レイリー波ともいう)という振動を2点のセンサーで受信し、表面波の伝播速度から地盤の速度構造を推定します。
表面波の伝播速度は、地盤が固いと速くなり軟弱だと遅くなるため、地盤の速度構造から地盤の固さを把握する事ができます。また、地層の変化を把握する事も出来るため、地層ごとの速度構造から戸建住宅を建築した際の沈下特性を算出することが出来ます。もう1つ大きな特徴として非破壊式で調査する性質から地盤がそもそも保有している地盤強度を計測することが出来、SWS試験よりも無駄な地盤改良判定が少なくなる地盤調査方法です。

SWS試験との費用の違い
表面波探査法にかかる費用は、SWS試験と比べると一般的に高くなる傾向にあります。主な理由としては、起振機や受信機などの特殊な機器を使用する必要があるほか、データ処理や解析に専門知識を必要とするためです。
ただし、表面波探査法はSWS試験で得られにくい地層の変化や沈下特性など地盤情報を入手することが可能で、地盤改良工事判定が少なくなる特徴があります。
SWS試験も表面波探査法も独自の特徴を持っているため、費用対効果を考慮しながら、適切な調査方法を選択することが重要です。

別の記事では、地盤改良が必要な土地・不要な土地の特徴を紹介しています。こちらをクリックしていただきご覧ください

まとめ
SWS試験は地盤の硬軟や締まり具合を簡易的に調査する方法であり、戸建住宅など小規模建築物の地盤調査では幅広く利用されています。
調査費用は安価で、狭小地や傾斜地でも実施できる点が特徴です。実施する際は専門家と相談しながら、SWS試験が適切な場所か表面波探査法など他の地盤調査が適切なのか、調査地の状態を考えながら調査方法を選定することが重要です。
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