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能登半島の地震

上図は気象庁が公表した「令和6年能登半島地震について(第20報)」から引用した、2020年12月1日午前0時から2024年2月29日午前9時00分までの間に発生したM3.0以上の地震を示したもので、2024年1月1日以降の地震は赤く彩色されています。

震度1以上の地震回数(2月29日12時00分現在)

1月1日16時以降、震度1以上を観測した地震が1699回発生。

(震度7:1回 震度6弱:2回 震度5強:8回 震度5弱:7回 震度4:48回 震度3:171回 震度2:429回 震度1:1033回)

図中のA-Bは全ページに示した図中の位置を示しています(元図は前図と上図で一葉のもの)。

 

これらの地震のほとんどは、深さ20㎞よりも浅いところで発生しています。

 

以下に2月29日時点の気象庁の所見を示します。

 

地震活動の状況

1月1日に発生したM7.6(最大震度7)の地震以降、地震の発生数は増減を繰り返しながら大局的には緩やかに減少していますが、平成16年(2004年)新潟県中越地震や平成28年(2016年)熊本地震などと比較しても、地震回数は多く推移しています。

今回の地震の活動域は、能登半島及びその北東側の海域を中心とする北東-南西に延びる150㎞程度の範囲に広がっています。

今後の地震活動の見通し

最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は、1月1日に発生したM7.6の地震発生当初に比べ、1/10程度と徐々に低くなってきました。しかし、石川県能登地方ではこの1週間(2月22日以降)でも震度1以上を23回観測するなど、M7.6の地震前に比べて地震活動は依然として活発な状態です。

陸のプレート内で発生した大地震の事例では、平成16年(2004年)新潟県中越地震(M6.8)、平成28年(2016年)熊本地震(M7.3)、平成30年北海道胆振東部地震(M6.7)のように、最大の地震発生後数か月経て、地震の発生数が緩やかに減少している中で大きな規模の地震が発生したことがあります。

また、2月9日に開催された地震調査研究推進本部地震調査委員会で詳細な検討がなされた結果、「これまでの地震活動及び地殻変動の状況を踏まえると、2020年12月以降の一連の地震活動は当分続くと考えられ、M7.6の地震後の活動域及びその周辺では、今後強い揺れや津波を伴う地震発生の可能性がある。」とも評価されています。

防災上の留意事項

1月1日に発生したM7.6の地震により揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっていますので、復旧活動などを行う場合には今後の地震活動や降雨・降雪の状況に十分注意し、やむを得ない事情が無い限り危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図るよう心がけてください。

一連の地震活動は当分の間継続すると考えられますので、M7.6の地震後の活動域及びその周辺では、引き続き強い揺れを伴う地震への注意をお願いします。また、海底で規模の大きな地震が発生した場合、津波に注意する必要があります。

以上が気象庁発表の所見です。

 

所見によれば、能登半島付近における地震活動は、2020年12月以降の地震活動がそのまま、当分続くものと考えられ、強い揺れを伴う地震や津波を伴う地震の発生する可能性もあるとしています。

このために、いましばらくの間、地震については十分な注意が必要であるという判断になりますので、お近くにお住まいの方は引き続き十分なご注意をお願いいたします。

*今回引用させていただいた図表や文面は、令和6年2月29日に気象庁から公表された「令和6年能登半島地震」について(第20報)より引用させていただきました。

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