俗に関東大震災と言われる大正関東地震は1923年、元禄江戸地震は1703年、その前は1495年の鎌倉大仏殿が破壊され
たとされる地震。
これらの3つの地震は、相模トラフを震源とする関東地震と呼ばれる同系統の地震である可能性がある、とされている地震です。
この地震に加えて、1293年の鎌倉大地震(永仁鎌倉地震)についても、相模トラフの地震であるという説があり、こうしたことから関東地震は200年周期ではないか、という考え方がなされています。
この仮説が正しいとすると、次回の相模トラフの巨大地震は2223年前後ということになります。
ですが、関東地震発生の百年ほど前から関東地方では複数のM6~M7クラスの地震が発生しています。
このことから関東地方にお住まいの皆様は、相模トラフの地震のみに警戒すればよいのではなく、それ以外にも多数存在する地震の発生に備えておく必要があるということになります。
上の図は1923年から100年間に発生したM4.5以上の地震の震央を示しています。丸の大きさは地震の規模(マグニチュード)の違いを表し、色は震源の深さを表します。吹き出しはマグニチュード7.0以上のものに付しています。
相模トラフの地震が発生しなければ安心、などという状況ではないことが良くお分かりいただけると思います。これらの地震が発生した場所では、過去に起きた地震よりも一回り・二回り程度、規模の大きな地震が発生する可能性があるのです。
過去の地震で震度4や5弱だった地震が、震度5から6強程度まで大きな地震が発生する可能性を秘めている震源がこれだけ存在する、と考えたほうが間違いない事なのです。
ゆえに、自然災害(地震)への備えをしておくことをお願いしているのです。
日本政府は、災害発生時には、自助・共助・公助の順番で対応することを明らかにしています。
つまり、自然災害発生時はまず、自分たちで何とかしてください(自助)、と公言しているのです。
次が共助、すなわち近隣の人々で助け合うことで何とかしてくださいということです。
公助(国や自治体のサポート)はあくまでもそのあと、ということになります。
関東大震災から100年という節目を迎えましたので、ぜひとも自然災害への備えの充実をよろしくお願いいたします。
参考資料
NHK災害列島 「関東大震災」
気象庁「関東大震災から100年」特設サイト
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/1923_09_01_kantoujishin/actvity.html
*本資料に使用した図表は、気象庁「関東大震災から100年」特設サイトより引用させていただきました。