島原大変肥後迷惑とは、1792年・寛政4年に長崎県島原市付近で発生した火山災害の名称です。
Wikipediaによれば1.5万人の方が犠牲になったと記録されております。1792年の日本の総人口は2500万人弱とのことなので、被害の大きさが窺えます。
この災害の特徴は、火山の噴火によって山が崩落して大量の土砂が有明海になだれ込みました。その衝撃で津波が発生し、内湾である有明海内で何度も対岸に当たって反射した津波が長崎県側と熊本県側に押し寄せて被害を拡大させてものです。
表 被害とりまとめ
島原藩 | 肥後3郡 | 天草 | 計 | |
死者(人) | 10,139 | 4,653 | 343 | 15,135 |
負傷者(人) | 601 | 811 | – | 1,412 |
牛馬の被害(頭) | 469 | 131 | 65 | 665 |
荒廃した田畑(町) | 379 | 2,130 | 171 | 2,680 |
流出した船舶(艘) | 582 | 1,000 | 67 | 1,649 |
流出した家屋(戸) | 3,347 | 2,252 | 725 | 6,324 |
流出・損壊した蔵(棟) | 308 | – | 2 | 310 |
出典:宇佐美龍夫 「最新版日本被害地図総覧」 (2003、東京大学出版会)
上の表はこの災害で生じたとされる被害の一覧です。
津波など経験したことの無い、内湾部なので仕方がないのかもしれませんが、非常に大きな被害が生じています。
山体崩落という災害が生じた島原の被害が大きいのはともかく、海を挟んだ肥後3郡(熊本県)、天草での被害は自然災害の怖さを示すものと考えざるを得ません。
現代において、地震や噴火に関しての情報発信は素早く行われるようになりました。
ただ、「島原大変肥後迷惑」のように噴火に伴う山体崩壊で、多量の土砂が海になだれ込むことで津波が発生するなど、内湾や島が連なるような場所でしか発生しません。
ところが、日本列島周辺ではそのような場所は、多数存在しているのが現状です。
それはどこ? ということについては、ここでは余計な不安を与えることが目的ではありませんので記載はしませんが、火山のお近くにお住まいの方はこうしたことがあるということを知っておいて欲しいと思います。
*参考資料
・Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/…/%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E5%A4%A7…
・2012島原大変 肥後迷惑(1792年噴火)・千寿の楽しい歴史
https://kusennjyu.exblog.jp/15353555/
・教訓は今も「島原大変肥後迷惑」での殿様の失敗とは
https://www.yomiuri.co.jp/…/japane…/20220214-OYT8T50094/
・〈1792年 雲仙岳〉噴火→地震→山体崩壊→津波
https://www.asahi.com/…/articles/TKY201305220547.html…
・【過去の教訓を未来につなぐ】日本史上最悪の火山災害:島原大変肥後迷惑 https://news.yahoo.co.jp/…/tatsumiyos…/20180401-00081949