事の発端は12月31日に山形県鶴岡市において発生した土砂災害です。
集落の裏山にある斜面が幅約100mにわたって崩落し、この崩落土砂に押しつぶされるなどして住宅など約10棟が倒壊しました。
この場所では、地震の発生はなく、また短時間に大量の雨が降る豪雨も発生してはいませんでした。
昨年12月の鶴岡市の降水量は、とても多かったようです。合計で500mmを越えています。
日本地すべり学会元会長の八木浩山形大学名誉教授が、現地調査した結果、12月の大雪が解け地下に浸透して、地下で水圧が上昇、風化した岩盤を深くえぐる「深層崩壊」が起きた可能性を指摘しています。
また、山頂付近で表層部分に連続する亀裂が見つかったことなどから、2次災害の恐れがあると強調しています。
筆者は、現地を見ていませんので地盤状況が分かりません。
しかし、積雪の多い地域では降り積もった雪が一度に溶けた場合、非常に多くの水が地下に浸透します。その水の重さや地下に浸透した水の水圧によって地盤が破壊されて、結果として地滑りが発生することがあると想像することが出来ます。
地滑りが発生する予兆として、斜面に普段とは異なる変化が現れることが多くあります。
斜面において、見かけない亀裂が新しく発生している場合や、普段は流れていない場所で水が流れ出している、聞きなれない音が伝わってくる、普段とは違うにおいがするなどの現象がある場合には、近づかないようにして自治体に連絡するなどの対応を行っていただきたいと思います。