地震学会

津波について

津波は、発生してしまえば避けようがない災害の一つです。

上図 津波発生のメカニズム

国の基準ではレベル1津波とレベル2津波について想定し、それに備えるように準備をすることになっています。

ここで、レベル1津波は「最大クラスの津波に比べて発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波」、レベル2津波は「発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波」とされています。

レベル2の津波については、住民避難の観点から津波浸水想定の想定に用い、レベル1の津波については海岸保全施設の設計水位検討に用いるものとして利用することとされています。

図 津波の速さと水深の関係

津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合では航空機に匹敵する速さで伝わります。逆に、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれ、減速した波の先端部に後方の波が追いつくことで波高が高くなります。

水深が浅くなると速度が遅くなるとはいっても、人が走って逃げきれる速度ではありません。

津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めたのでは間に合わないのです。

海岸付近で地震の揺れを感じたら、または津波注意報や警報が発令されたら、津波が見えなくても速やかにその場所から避難するようにしてください。

また津波の影響を受ける可能性がある場所にお住まいの方は、地元の津波ハザードマップを把握して、どのように避難するかなどを家族で相談・情報共有して、備えておくようにしてください。

 

*本ページ内のイラストは、気象庁のホームページ内にある「知識と解説:津波発生と伝播の仕組み」より引用しました。

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