今月16日午後23時36分ごろ、福島県沖を震源とするM7.4の地震がありました。
最大震度は6強で、この地震によって広い範囲で震度3以上の揺れが観測されました。
深夜の地震であったことから、津波発生時の避難などが困難になることが予想されましたが、発生した津波は小規模で影響を与えるようなものではありませんでした。
このことは不幸中の幸いであったと考えられます。
この地震での揺れについては、北海道から九州までの広い範囲で観測されています。
東北大学災害国際研究所遠田晋次教授によると、この地震は2021年2月13日に発生した福島県沖地震(マグニチュード7.3最大震度6強)の余震の一つであると分類されています。
https://irides.tohoku.ac.jp/research/prompt_investigation/2022fukushima-eq_toda.html
2011年の東北地方太平洋沖地震によって、2021年2月13日の地震や今回の地震の震源域などが活発化している。
と遠田教授は意見を述べられています。
また、遠田教授は、余震活動に関して以下のように述べられています。
今月発生した地震を含めた2021年福島県沖地震の余震活動は、震源が陸地に近く、やや深いために津波を発生させないが、強いゆれをもたらすものです。2011年東北地方太平洋沖地震によって、今回の地震周辺部や日本海溝外寄りの地震を活発化させています。日本海溝外寄りの地震は、震源が陸地から離れており、ゆれはそれほど大きくなりませんが、日本海溝外寄りで津波を発生させる可能性のある地震となります(例えば,1933年昭和三陸地震)。
このエリアでは、東北地方太平洋沖地震が発生する前から地震が多発する地震活動が活発な場所です。
また、3月16日以降、無感地震が毎日複数回発生しており、このエリアに北側には空白域と呼ばれる地震の震源となっていないひずみの溜まっているエリアの存在が論じられています。
https://irides.tohoku.ac.jp/research/prompt_investigation/2022fukushima-eq.html
この地震によって、遠田教授の言うような日本海溝の地震が誘発されることがないように願っていますが、備えは怠らないようにして欲しいと思います。