各自治体から公表されているハザードマップの注意点に触れておきたいと思います。
事例として示したのは、東京都江戸川区のものです。
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/kanrenmap/n_hazardmap.html
大規模な水害が発生した場合、平地を中心に広範囲で水没すると予想されるされている地域です。
このような地域では、気象庁や自治体から避難命令が発令される前に、水が市街地にあふれている可能性があります。
水深が浅ければあれば問題ないと考える方も多いと思いますが、歩行困難となる水深15cmや30cmになるまで急速に進む可能性が否定できません。
関西大学の研究では、川があふれて浸水する場合には1分間に3cm程度。大雨によって発生する内水災害では1分間に2cm程度の速さで水が増えるとされています。10分間で20~30cm水深が増えるということです。そして、その水に流れがある場合には、歩行困難になる水深がより浅くなります。
水深15cmで流速が2m/sあると子供や高齢者の避難は厳しくなります。
水深30cmで流速が3m/sになると大人でも避難は難しくなります。
もちろん、この深さになると、更に増水する可能性を考慮すると、車での非難は避けた方が良くなります。
https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20131219.html
*浸水した場所によっては流れの生じないこともありますが、傾斜のある場所や海の近くなどでは
流れが生じるため注意が必要です。
そして少しでも水が出た場合、小規模なものであっても河川を超えての避難は難しくなります。
以上より、浸水する前の避難が有効ということになります。
特に高齢者や子供がいる場合には、早めの選択をする必要があります。
また、避難する避難場所についてもそうです。指定緊急避難場所までの経路の安全性と、その避難場所に十分な広さと高さが必要になるからです。
このため、予め避難経路と避難場所について調べておく必要があります。体育館など平屋の施設は地震時の避難場所としては良いかもしれませんが、水害時には機能しなくなると考えておくべきなのです。
ブラジルのリオデジャネイロ近郊で発生した大雨による被害のニュースを見ていて、洪水で車が流される光景などがあったので、日本でも他人事ではないと思い、今回のコラムを作成いたしました。参考にしていただけましたら幸いです。