7月が終わろうとしていますが、関東地方ではまだ梅雨が明けていません。その代わり水不足の心配はなさそうですが、これだけ雨が降るといろいろな心配が出てきます。
雨が降るとその水はどうなるでしょう。
都市部では、広範囲が舗装されているため、集められた雨水の多くが下水道を通じて処理されます。
それ以外の場所では、だれも処理しませんから地中にそのまま浸透していきます。
梅雨時に雨が多く降るのは毎年のことですから、地盤の内部には水を流したり、溜め込んだりする機能があります。
ところが、今年のように雨が多いと地盤内部に保留できる雨の量を超えている可能性があります。
平野部においては、保留地下水が多くなっても、大きな影響は出にくいのですが、傾斜地では保留地下水が多くなると地下水の量が増えたことによる荷重の増加を地盤が支えられなくなる可能性が生じます。
気象庁が大雨の際に警戒情報を出すのは、この保留地下水の増加によって地盤災害が生じる可能性が生じるため、です。
降雨から十分な時間が経過すれば、保留地下水は放出されることになりますが、降った量が多い場所では時間がかかります。
これから日本列島では順次、梅雨が明けていくことになりますが、その代わり今度はいつ、台風がやってきて、梅雨の間に大雨が降った場所にまた大雨をもたらす可能性があります。
そうすると、また地盤に水が浸透することになりますので、気象庁が騒ぎ出すことになると思います。
大雨の降った傾斜地では、いましばらくの間、湧き水の増加や匂いがするなど、普段とは異なる現象が発生していないか、十分な警戒をしておくことをお勧めいたします。