地盤地震耐震

地盤と地震と住宅の不思議な関係

以前に住宅と地盤の関係について触れたことがあります。

地震が発生した時に地盤を伝わって周囲へと広がっていきます。

地震は、どのくらいの深さでどのくらいの幅の断層が、どれくらいの長さにわたって破壊されたのかによって

性質が大きく変わり、地震の規模や継続時間などが決まることで周囲に与える影響が決まります。

ゆえに、あとは揺れが伝わる際に通過することになる地盤によって地震の揺れ方は左右されることになります。

そして、住宅の存在する場所は地表面です。

以前にもこのことには触れていますが、地表面の揺れは地盤の性質によって決まります。

このため、近隣にある住宅であっても揺れ方が異なってしまうことがあります。

なぜ、このようなことが生じるのか、といえば地盤の作られ方が違うから、という答えになります。

自然がとても長い年月をかけて形成するのが普通の地盤ですが、都市部のように長い年月人間が生活している場所では、

人の手が入っている地盤が広く分布しています。人の手が入っている地盤は自然に形成された地盤ほど落ち着いてはいません。

そして東京、名古屋、大阪、福岡といった海に面している都市では、海を埋め立てて造成した土地が広くあります。

人が手を加えた地盤が厚く存在する場所は、地盤が落ち着くほどの時間が経過していないため、自然地盤よりも大きく揺れる可能性が高いのです。

住宅地にもそうした場所は広く分布しています。

生活の都合で河川を移動したり、水路や用水池を埋め立てたり等々、人の手が入っている場所はかなりあるのです。

そうした場所では、自然に堆積してできた地盤よりも地震の揺れが大きくなる可能性があるのです。

人が生活圏とした場所の地盤を大きくいじるようになったのは、江戸時代以降であることが多く、400年程の時間しか経過していません。

万年単位で考える自然地盤とは時間経過が大きく異なるのです。

このため、地盤に人為的な加工がされているか、加工されている場合、その厚みはどのくらいあるのか、などのことが影響します。

こうしたことによって地盤の性質は異なることになり、その結果として地震時の揺れ方が大きく異なる場合がある、ということになるのです。

しかしながら、こうした違いは目で見てわかるようなものではない場合がほとんどです。

このために地盤から地震の揺れ方を知りたいときには、詳細な内容を把握できる地盤調査を実施して、地盤について詳しく知っておくことが必要になります。

 

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