いよいよ新元号がスタートしました。
前回の平成が昭和天皇の崩御によってスタートしたことに比べると、とてもスムーズなスタートであったと思います。
新天皇の一般参賀に14万人余りの人々が訪れたそうです。訪れた人々の写真を見て少々思い出したことがあります。
皇居前広場に、おおよそ30万人と言われる人が集まっている写真が公表されています。
この写真は、大正関東地震の際に避難してきた人々が皇居前広場に集まった姿を撮影したもので、一般参賀の時のように整然と並んでいるものではなく、雑然としており、大八車に一杯荷物を載せたものや、大きな風呂敷に荷物を一杯詰め込んだものと一緒に大勢の人々が写っています。
この人々は、地震によって発生した火災から逃れるため、周囲に延焼する建物がない皇居前広場に避難した方々で、日比谷公園や上野駅前広場、明治神宮外苑などにも大勢避難したといいます。
同じように避難者の集まった本所旧陸軍被服廠跡では、大火に巻き込まれて多くの方が犠牲になっています。
同じ場所に大勢の人が集まった写真でも、集まった目的がここまで違うと、見た時の感じ方が、ずいぶん違うものです。
もしも、この内容に興味のある方がいらっしゃるのなら、「大正関東地震、皇居前広場」で検索するか、都立横網町公園(旧陸軍被服廠跡)内にある復興記念館を訪ねてみてください。
蛇足ではありますが、地震に備えていつでも避難できるようしておくことを忘れないでください。大八車に家財道具一式を積んで逃げる、これは江戸時代、火災に備えての準備として行われていたものです。
大正時代にはまだ、その影響が多少なりと残っていました。現在では、このような習慣はなくなってしまい、手回り品のみを持って着の身着のままで避難することが当たり前になっています。
ゆえに、何かあった時にすぐに避難できるように準備しておくことをお薦めするものです。