地層境界を計測
起振機により、地盤をゆすることで、⼩さな地震が発⽣して地盤中を伝わっていきます。この⼩さな地震(波動)は、地盤が固いと速く伝わり、地盤が軟らかいと遅く伝わります。
表⾯波探査法は、”表⾯波”という種類の波動を使った調査⽅法です。表⾯波は、周波数によって、地盤中を伝わる範囲が変わるという性質を持っています。
表⾯波探査法は、これらの”表⾯波”の性質を使⽤します。⾼い周波数から低い周波数まで、細かく変化させることで、深度⽅向の地盤の固さ、軟らかさの情報を収集していきます。
表⾯波探査法のデータからわかる地盤情報
・地盤の固さ(固さ、軟らかさ)
・固さ、軟らかさが変化する境界⾯:地層境界
地層を数値化&グラフ化
表面波探査法は、地層境界の深度、各層の持つ地耐力を明らかにします。敷地内において5箇所の測定を行い、それらを断面的に解析を行うことで、地層の傾きを把握します。
地層境界から沈下量予測へ
固い地⾯であれば、⾜跡すらつかず、沈んでしまう事もありません。しかし、ぬかるんだ、軟らかい地⾯を歩くと⾜が沈んでしまいます。⽚⾜だけぬかるんで沈んでしまったら、バランスを崩してしまい、転んでしまうことがあります。
住宅も同じで、建てようとしている地盤に、”固さ、軟らかさの偏り”があったら、建物が軟らかい⽅へ傾いてしまうかもしれません。
沈下量予測とは、地盤の固さ、地層境界を⾒極め、予定している住宅の荷重によって、どの程度沈下するのか算定するものです。
予定している建物位置において表⾯波探査法を⾏い、各々の位置において地盤の固さ、軟らかさを把握し、沈下量予測を⾏うことで、建物が傾く可能性があるのか、転んでしまったりしないのかを判断しています。
2つの沈下量
地盤に鉛直方向に力を加えると、2種類の変化が起きます。
即時沈下
即時沈下は、力を加えた直後の地盤の変形です。
圧密沈下
これに対して、圧密沈下は、最初は加わった力を受け止めて均衡するのですが、地盤の間隙比の変化や排水作用によりゆっくりと沈下していく地盤の変形を指します。
即時沈下量及び圧密沈下量ともに、表面波探査法の結果から計算しているのですが、現地の状況によっては測定結果だけでは、長期の圧密沈下を予測するのに十分ではない場合もあります。
造成中あるいは、掘削して間もない人工地盤、旧建物を取り壊した際や、ガラなどの異物を多量に混入している不適合材料(産廃など)を盛土材料に用いている場合など。表面波探査法の結果とこれらの条件をもとに、即時沈下量と圧密沈下量を算定します。この2つの値を足したものが、予測される沈下量になります。
(注)現場状況によっては、弊社の解析基準に基づき算定した沈下量を考慮しない場合があります。