ハザードマップの種類は7つ!活用できる防災情報と対策のポイント

ハザードマップは、災害に備えるために作成された地図で、土砂災害や洪水、津波など7つの種類があります。本記事では、それぞれの特徴や防災情報について解説します。災害リスクを事前に把握し、安心して暮らせる環境を整えるための参考にしてください。

住宅を建てる際や土地を購入するときは、地域の災害リスクについて知っておくことが大切です。事前にリスクを把握しておくことで、十分な防災計画を立てられるため、安全を確保できる可能性が高まります。

本記事では、ハザードマップについて紹介します。ハザードマップには複数の種類があるため、それぞれの特徴や対策についても解説します。ぜひ最後までご覧ください。

ハザードマップの種類 
災害が起きた際に被災が懸念されるエリアや程度、避難経路や場所などをマップ上に表したものがハザードマップです。地域住民が災害リスクを理解し、適切な行動をとって命を守ることが目的となっています。

ハザードマップは、災害のタイプにより分類分けされており、各自治体や国土交通省のサイトから入手できます。それぞれの災害について、詳しく見ていきましょう。

①土砂災害ハザードマップ
激しい雨の影響で地盤がゆるむと、山など急斜面の土や岩が崩れて地すべりやがけ崩れ、土石流などが発生しやすくなります。土砂災害ハザードマップは、土砂災害発生のリスクが予測されるエリアが色分けして表示されていることが特徴です。

たとえば黄色のゾーンは警戒区域、赤色のゾーンは特別警戒区域と、危険度が一目で分かるようになっています。黄色・赤色のゾーンは、被害を受ける可能性が高いエリアです。該当する場合は、万が一の際に備えての準備や避難場所と経路を確認しておくなどの対策をおこなってください。

②洪水ハザードマップ
台風などで激しく雨が降り、河川の氾濫や浸水が起きた場合に、どれくらいの深さまで水に浸かるのか、どのエリアまで影響があるのかを予測したものです。洪水が起こったときの避難経路や避難場所のデータも載っています。

また、浸水の程度によって色別に表示されているのが特徴です。たとえば、黄色のゾーンでは最大0.5mで、大人の膝までの浸水が起こる可能性があることを意味します。

③内水ハザードマップ 
集中的な豪雨などが原因で川への排水が追いつかず、地上に水があふれて水に浸かるおそれがある地域や水深を予測して表したものです。下水道設備の性能以上の雨水が流れ込んだり
川の水位が上がりすぎて、水の放出ができないことが原因に挙げられます。

洪水は、河川の流域で発生しますので危険性をあらかじめ把握しやすいでしょう。しかし、内水は河川付近だけに発生するとは限りません。内水ハザードマップの確認が、唯一危険性を判断できる情報かもしれません。必ず確認して頂ければと思います。

④ため池ハザードマップ
ため池が地震など何らかの原因で決壊した場合に、浸水が予想されるエリアや水深、避難場所などの情報が記されたものです。東日本大震災の際には、ため池が決壊したことで人命が失われました。

今後大きな災害が起きた場合に備えて、決壊したら甚大な影響を及ぼすと予測されるため池に関して、マップが作られています。

⑤津波ハザードマッ プ
地震の影響で海面が大きくうねると、津波が引き起こされます。このハザードマップでは、津波で浸水する可能性があるエリアや浸水の程度などが示されているのが特徴です。

海の近くはもちろんのこと、波が川をつたって被害をもたらすおそれもあるため、川の付近も危険なエリアに指定されている場合があります。津波が到達する目安の時間や高台などの安全な避難場所、避難経路といったデータも記載されています。

⑥高潮ハザードマップ
低気圧や台風などの影響で生じる高潮による被害の危険性が分かるマップです。高潮は低気圧によって海水が異常に上昇する現象で、満潮時とタイミングが重なると広いエリアに甚大な影響をおよぼします。

海の近くにお住まいだったり勤務先が有ったりする場合は、確認しておくと安心です。

⑦火山ハザードマップ 
字面どおり、火山が噴火したときに火砕流や噴石、溶岩流などの被害が予測される範囲が記載されたものです。噴火のおそれがある活火山の周辺など、被害を受ける可能性がある自治体において作成されています。

前もって危険性を把握していれば、万が一の際に命や財産を守るための対策を講じられるでしょう。

 

ハザードマップ以外の防災情報
防災情報は、ハザードマップ以外にもさまざまなものがあります。定期的にチェックすることで、いざというときのために十分な準備ができ、被害を最小限におさえられるでしょう。
以下では、3つの情報源について、解説します。

震度被害(揺れやすさ)マップ 
文字どおり、地震発生時の揺れやすさを表したものです。揺れの強さは、単に震源からの距離だけでなく、地盤の特性によって大きく変わります。
震源地からの距離やマグニチュードが同じだとしても、地盤が硬い場合は揺れが伝わりにくく、やわらかい場合は揺れやすいため、被害の程度が大きくなることがあります。
震度やマグニチュードだけでは予測できない、揺れの大きさを把握でき建物の耐震化や防災対策に役立てられます。

各自治体から公表されていますので、インターネットで検索頂くか各市町村の市役所等にお問い合わせください。

地盤被害(液状化)マップ
液状化が起こるリスクが高い場所をマップ上に表したものです。液状化とは、地中の水分を含んだ砂が地震の揺れによって水に浮いた状態になり、地盤の強度が弱くなった状態をいいます。
時間が経つにつれて砂の粒が下のほうに詰まっていき、体積が減ることで地盤沈下が起こるほか、水分が地表面に排出されて吹き出すなど被害はさまざまです。リスクに応じて色分けして表示されており、住まいや勤務先の安全性を把握することができます。

こちらも、各自治体から公表されていますので、インターネットで検索頂くか各市町村の市役所等にお問い合わせください。

地形分類図
土地の高低差を平面図上に等高線を用いて表しています。山地、台地、谷地など大まかな地形を表示しています。また、目印になりやすい道路や建物なども表記されており、現在の状況と地形の位置関係が分かり易いのが特徴です。例えば、谷地や旧河道に位置する場所に新しく住宅を建築する場合には、しっかり地盤調査を行って問題が無いか確認することが重要です。

こちらの記事では、谷底低地について解説しています。住宅を建てる前に知っておきたいさまざまな地形の種類についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ
住宅を建てる際は、各ハザードマップを確認しましょう。災害が発生する可能性のある場所であってもすぐに避難できるように避難経路を確認する。地震で揺れやすい地盤であれば地震対策として耐震性の高い住宅を建築する。建築後であっても家具を固定するなど対策することができます。
また、地形図などを活用し、そのまま住宅を建てて問題が無い土地か確認しましょう。実際には、地盤調査を行い地盤補強が必要な土地では無いかを調べることが重要です。

地盤調査では、ハザードマップなどの資料からは得られない詳細な情報が得られます。ビイック株式会社は、住宅向けの地盤調査を行っています。
ビイック株式会社が採用する地盤調査は、表面波探査法です。地盤に穴を開けず人工的な地震波の伝わり方から地盤の固さを計測し、建築後に想定される沈下量・1cm単位の地層の傾きや盛土厚 といった情報を提供して無駄な地盤補強判定が無くなります。また、地盤調査結果のセカンドオピニオンサービスも実施しています。すでに別の地盤調査方法で調査を行い、地盤補強工事が必要と判定され結果に納得できないなどありましたら、ご相談ください。

セカンドオピニオンについての詳細は、弊社ホームページをご覧ください。

尚、洪水や津波、地形図、避難場所の情報などは、国土交通省監修の「重ねるハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp/index.html)で確認することができます。