液状化現象が起こりやすい場所や対策する方法|起こり得る被害とは?

液状化現象が起こりやすい場所は、埋立地などの比較的新しい土地や沼や池があった場所、旧河道などがあります。本記事では被害や起こりやすい場所、対策などを解説します。被害に遭わないためにも理解しておくことが大切です。

災害大国といわれる日本では、地震、台風、大雨、洪水など、さまざまな自然災害に対して備えながら日々生活していく必要があります。数多くある自然災害のなかでも地震は、地盤の硬さや強い家づくりによって被害を抑えられます。
そのため、長きにわたり安心して生活し続けるためには、地盤の硬い土地を選ぶことが重要です。本記事では、万が一地震が起こった際できる限り被害を抑えるための知識として、液状化現象について詳しく解説します。
液状化現象が発生しやすい場所や、対策方法を事前に理解しておくことは、より安全な住まいの実現につながります。現在、住宅購入や建築をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

液状化現象とは?
液状化現象とは、地震の発生によって地盤が強い衝撃を受けることで、土の粒子同士の結びつきが失われてバラバラになり、液体のようなドロドロの状態になってしまうことを指します。以下では、液状化現象発生のメカニズムや、起こり得る被害について詳しく解説します。

【液状化現象が起こるメカニズム】
地盤は通常、土や砂などの粒子がくっつきお互いに支えあっています。とくに、液状化が起こりやすい地盤では、粒子の隙間を水が満たして支えています。
ところが、地震によって強い衝撃を受けると、地中の地下水の圧力が高くなることにより、それまで結合し支えあっていた土の粒子がバラバラに離れ、水に浮いた状態となります。これが液状化です。
土や砂は水よりも比重が重いため、やがて沈下しますが、地盤表面は水分が多くなり、ドロドロした液体のような状態になります。

【液状化現象による被害】
地盤が液状化すると、水よりも比重が重い家屋や建物は沈み傾くおそれがあります。液状化は地震発生から数分後に始まり、数分~数十分かけてゆっくりと起こります。そのため、直ちに人命にかかわる被害が起こることは稀です。
しかし、道路の液状化による通行止めや、電柱や埋設管の浮き上がりによるライフラインの停止など、広い範囲で甚大な被害をもたらすおそれもあるため、注意が必要です。
通行止めやライフラインの停止による生活への影響は、1か月程度と長い期間続くケースが少なくありません。学校や仕事、買い物に行けないだけでなく、トイレやお風呂の使用さえも困難といった状況が続くと、精神的なストレスも大きくなります。
土地探しの際は、通行止めやライフラインの停止といった、広範囲への被害が発生したときのことも考慮しましょう。自分が住む場所だけでなく、周辺の土壌についても理解しておくことが大切です。

液状化現象が起こりやすい場所
住宅の購入や建築を検討する際には、液状化現象が起こりやすい場所を事前に理解しておくことが大切です。大切なマイホームが傾いたり倒壊してしまったりすることは、絶対に避けたいものです。ここでは、液状化現象が発生しやすい8つの土地・場所を解説します。

【埋立地などの地下水位の高い地盤】
例えば、埋立地、干拓地、砂丘や砂州の間の低地などで地下水位の高いゆるく堆積した砂地盤などで液状化現象が発生しやすくなります。但し、一般的に海沿いの低湿地で発生しやすいと思われていますが、条件を満たせば内陸の平野部でも発生することがあります。
2011年の東日本大震災では、千葉県浦安市 や埼玉県久喜市 の埋立地で液状化の被害が起こりました。

【以前に沼や池があった場所】
以前に沼や池、湖などがあった土地も、液状化現象が起こりやすい場所です。沼や池、湖などを埋め立てた土地は、たくさんの土や砂が積み重なり地面が深くなっているため、埋め立てた土や地盤の状態によっては液状化するおそれがあります。
通常、地下水位の高い海や川沿いの土地で起こりやすいですが、沼や池、湖などがあった場所では内陸地でも起こるおそれがあるということを理解しておきましょう。

【以前に川が流れていた場所】
沼や池、湖があった場所と同様に、以前川が流れていた旧河道も地下水位が高く、水分量が多いため、土壌の締まりが緩くなってしまう傾向にあります。
川が流れていた場所のなかでも、とくに川の合流付近や屈曲付近の土地は、液状化しやすく注意が必要です。また、砂質土の土壌は粒子が大きく、大きな衝撃を受けるとかみ合いが外れやすいため注意しましょう。

【低い自然堤防がある場所】
自然堤防は、洪水などにより運ばれた土や砂が積み重なって自然にできた堤防です。自然堤防のある土地は、水によって運ばれた砂や土で構成しているため水分量が多く、大きな衝撃を受けると液状化するリスクがあります。

【大河川の沿岸部】
大河川の沿岸部のなかでも、とくに下流域は三角州にあたり、旧河道や自然堤防などから構成される土地もあります。前項のとおり、旧河道や自然堤防のある場所は、液状化現象が起こりやすい場所のひとつです。
大河川の沿岸部の下流域は、複数の液状化しやすい条件が重なっている傾向があります。土地購入を検討している方は、地歴やリスクを示したハザードマップなどで事前に確認しておきましょう。

【砂丘間低地】
日本海の沿岸や、遠州灘の沿岸などに分布する砂丘間低地は、長きにわたり砂が積み重なって生まれました。砂丘の砂は同じ大きさの粒子で構成されているため、粒子同士がくっつきあった際に隙間が生まれやすく、衝撃を受けることでバラバラに離れ、液状化につながるおそれがあります。

【谷や沢を埋め立てた盛土の造成地】
丘陵地帯は山地より起伏が少なく、比高が低くなだらかな地形のため、リスクが低いとされています。
しかし、丘陵地帯のなかには、傾斜地や低地を平らにするために盛土で埋め立てた造成地も存在するため注意が必要です。
一般的に丘陵地帯は、液状化は起こりにくいですが、新しく盛土してしまうと盛土が沈下してしまい建物が不同沈下してしまうリスクがあります。丘陵地帯=地盤が安定しているとは限りません。

【過去に液状化現象が起こった場所】
過去に液状化現象が発生した土地は、別の地震が起こると再び液状化するおそれがあります。ただし、小規模な液状化が起こった場合には地盤が引き締まり、今後起こりにくくなるともいわれています。
このように、判断に迷うときは地盤調査を行って、十分な硬さを持った土地であるか明らかにすることも大切です。

液状化現象の確認方法
液状化する可能性があるかの確認は、「液状化危険度マップ」を確認しましょう
たとえば、国土交通省が運営するハザードマップポータルサイトでは、災害リスク情報から都道府県液状化危険度分布図で確認可能です。「極めて高い」を示す赤から「液状化対象外」を示す白まで、5段階に色分けされています。
ほかにも、都道府県や市町村が公開するハザードマップもあります。こうしたマップでは、液状化以外にも地震や津波、洪水など、幅広い自然災害リスクを確認できます。

【液状化対策について】
液状化対策としては、土とセメント系固化材を混ぜる表層地盤改良や柱状地盤改良工法、支持層と呼ばれる強固な地盤まで打設する鋼管杭工法等が挙げられます。但し、建築予定地の直下のみで起こるものではなく、その地域全体で起きる災害となります。 本当の液状化対策は町全体で対策するほどでないと、現実的な効果は乏しくなります。また、強固な地盤まで杭工事を行ったとしても、液状化により杭の周りの土砂が沈下して地中にある杭が露わになってしまうことがあります。その修復には、高額な費用が必要になります。
通常、液状化現象の修復工事には、高額な費用が必要になります。そのため、住宅の基礎の剛性を高めたベタ基礎にて施工し、液状化しても容易に直せるようにしておくことが重要です。
但し、直す費用は高額になるため地震保険に加入しておくことが重要です。

まとめ
本記事では、液状化現象について、また起こりやすい土地や場所、対策について詳しく解説しました。液状化の被害に遭わないためには、液状化現象が起こりやすい場所を避けて選ぶことが出来ればよいですが、予算や周辺環境などさまざまな要因が影響し避けることが出来ないこともあります。条件に合う土地を見つけたにもかかわらず、液状化のリスクがあるために購入を悩む方もいるでしょう。
液状化対策を施す工事は、非常に高額になる可能性があります。液状化しても直せるようにベタ基礎で施工*し、地震保険に加入することをお勧めします。
*東京都都市整備局発行の「液状化による建築被害に備えるための手引き」にベタ基礎が液状化対策の1つとして挙げられています。
土地選びには、液状化についても確認する必要がありますが、住宅を建築して傾いてしまう可能性があるかを確認することも重要です。そのためには、地盤調査を必ず行って下さい。地盤調査は、ビイックにお問い合わせください。住宅向けの地盤調査専門会社であるビイックでは、公平な判断で地盤にもっともあった地盤判定を提供しています。

また、セカンドオピニオンサービスも行っているため、他社の調査結果に納得できなかった方もご相談ください。45年以上の実績を持つビイックが、お客様の土地選びをサポートいたします。

*地盤調査に関しては、下記コラムもご覧ください
地盤調査はしなくてもいい?必要性や方法・費用などを解説

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「表面波探査法」で再度調査した場合の結果予測をお伝えいたします。
その2】近隣地盤調査結果検索サービス
建築地周辺の「表面波探査法」による地盤調査結果をお調べいたします。
いつも地盤改良工事が必要と判定されている場所でも、「表面波探査法」だと回避できる可能性があります。
*「表面波探査法」による地盤調査は、有償です。

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