インドネシアのスマトラ島西スマトラ州で、豪雨によって土石流が発生し、多数の方々が犠牲者になったと報道されてました。
この土石流は、昨年噴火したマラピ山の火山灰が原因で発生した、と報じられています。
このように大きな被害が、時折発生しています。
日本でも火山灰が堆積した場所は多数存在します。
ここで、一つ参考事例を挙げます。
阿蘇カルデラと呼ばれる阿蘇山の噴火のうち、約9万年前に発生したAso-4と呼称される噴火では、噴出した火山灰類の体積は590-920㎦とされています。
上記事例の火山灰は日本全国に降り積もり、その堆積量は関東では数センチ、九州では30センチ以上の火山灰が堆積したという研究結果が公表されています。
これは国内最大級の極端な事例ではありますが、火山灰の堆積という事象は、過去に日本では幾度となく繰り返し生じたことがあるのです。
火山灰が堆積した地層の代表例は、関東ローム層などがあります。
現在でも鹿児島県の桜島などは噴火が繰り返されており、火山灰が降り注いでいます。
桜島の噴火では、街中に降った火山灰は、市民によって回収されていますが、山の中に降った火山灰は堆積されています。
そうした場所にゲリラ豪雨や大風による豪雨が発生した場合、今回のような土石流が発生する可能性があると考えられています。
当然、これは鹿児島だけの話ではありません。北海道から沖縄まで無関係ではないのです。
大規模な火山噴火が発生すると、大量の火山灰が地層状に堆積します。このような場所に大雨が降ると、大規模な土石流が発生する可能性があります。(上図参照)
大雨が降って累積降水量が大きくなれば、どこでも土石流が発生する可能性があるため注意が必要です。
十分なご注意をお願いいたします。
なお、表紙に用いた写真は、三宅島噴火時の降下火山灰が道路に積もった状況を写したものです。
※出典元:日本経済新聞オンライン:5月12日19時44分
※図の出典元:ウェザーニュース
※阿蘇4の噴出物に関する資料 出典元:原子力規制委員会
https://www.nra.go.jp/data/000317626.pdf
※表紙写真の出典元:気象庁火山噴出物に関する用語
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/kazanyougo/funshutsubutsu.html