上の写真は、国際福祉機器展2022に展示されている自走型車いすの一つです。
とてもごつい、戦車をイメージさせるような自走型車いすですが、日本ではこのくらいのものが必要なのではないか、と考えてしまいます。
実際、要介護の高齢者を抱え、車いすを押していることのある自分が実感するのは、自走式を含めた車いすが利用しやすい環境に日本がある、とは到底言えないのが現状です。
立ち往生していた自走式車いすの走行をお手伝いした際、人が歩くよりも遅い速度でしか移動することのできない通常型の自走式車いすの場合、ある程度の段差で通行不能になることがあるとお伺いしました。
残念ながら、日本の歩道の中には大きな段差があるもの、自走式を含めた車いすが通行するには狭い歩道、放置自転車があって通れない歩道などがあり。車いすで生活される方に優しい国ではないようです。
このため、日本国内でも、本格的に車いすで移動することを考慮するならば、今回紹介したような自走式車いすが持つような性能が必要になるのかもしれません。
限度はありますが、不整地走行や段差、溝を越えての走行が可能で、災害時にも有効であろうと考えられます。
ただ、大きさがあるために歩道ではなく、車道を通行せざるを得なくなる場所が多いと思います。
福祉後進国である日本で、全国対応型として考えれば、このくらいの車いすが本当は必要なのかもしれません。
いずれにせよ、車いすで移動されている方が困っているような場面に遭遇した場合には、可能な限りの手助けをぜひともお願いいたします。