2月の標語「学問のすすめ」のススメ

1万円札のことを1諭吉、2万円のことを2諭吉と呼んで、福澤諭吉さんに親しみを感じている方もいると思います。今更ながら、私は福澤諭吉著「学問のすすめ」を読んでいます。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は有名な言葉です。人は全て平等のはずですが、賢い人とそうでない人や、お金を持っている人とそうでない人、育ちが良い人とそうでない人など、差があるように見えます。一般的に、人は多くを学んで知識や実務をつけることにより、収入が増えたりすることは皆知っています。つまり人は生まれつき賢いか否かということではなく、お金持ちか否かの区別があるわけではなく、単に学び続けて知識のある人が偉くなり、またお金持ちになり、学ばなかった人がその結果を得ていないと言っています。

学問をすると言っても、何を学ぶかということはとても大切です。学ぶ内容は、自分の役に立つ学問であり、他人の役に立つ学問であり、国の役に立つ学問であると言っています。次がそれらの学問であると紹介しています。語学、資料作成、帳簿作成、会計、地理、歴史、物理、経済、修身(道徳や倫理)など。

しかし、ただ学問をするにしても自分勝手のことをしている人はその資格が無いと言っています。学ぶ姿勢として忘れてはいけないことは、決して他人の迷惑にならないような生活をするということです。自分は学んでいるから何をしても良いということではありませんし、自分のお金だからと言って好き勝手のことをしても良いということはありません。そのようなことをすれば世の中に悪い影響を与えます。こういう人は学問をする資格が無いと言っています。

また筋を通すことが大切であるとも言っています。道理が違うと思っているのであれば、相手がどのような人であっても妥協することをしてはいけません。自国が侮辱されたならへつらうことをせず、たとえ強国相手であっても最後の一人になるまで命を懸けで戦って国の誇りを護る。こういうことが国の自由と独立というべきものであると言っています。

西洋の諺に、「愚かな人々の上には必ず苛酷な政府があり、まともな人々の上には必ずまともな政府がある」とあります。今の日本政府はどのような政府でしょうか。苛酷な政府でしょうか、それともまともな政府でしょうか。この考えに基づけば、今の日本政府の状態は今の私たち日本人の状態を表していると言えます。

大切なことは、まず自分の行動を正し、着実に学問に取り組み、さまざまな知識を吸収するなど、それぞれ身の丈に合った知恵や人徳を備えること。それにより、”富や名声は人に対して与えられるものではなく、その人の働きに対して与えられる” という諺通りとなっていくと言っています。

もし福澤諭吉さんが生存されていて現代の日本人を見たときに、喜ばれる人間に私はなりたいと思いました。

 

興味のあるかたはどうぞ。
福沢諭吉 学問のすすめ – 青空文庫 (https://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/47061_29420.html)

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