地盤地震

奥多摩での土砂崩れ

7月18日に奥多摩の青梅街道沿いの法面で土砂崩れが発生し、通りかかった男性がけがをする事故が発生しました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000222949.html

この土砂崩れで電柱が倒れ、周辺で停電も発生しました。
停電については19日に復旧したようですが、青梅街道自体は「深山橋~奥多摩町大麦代トンネル」間において20日時点でも上下線とも通行止めとなっていました。

この通行止めは、7月28日17時に解除されて通行できるようになりました。一安心です。

この青梅街道は、筆者も年に数回、山梨の勝沼方面に抜ける際に利用している道路で、峠越えをして東京都から山梨県へ抜ける国道です。

いかにも峠越えの山道という感じで、若かりし頃には地質巡検でも歩いたことがあります。

もともと甲州街道の奥多摩町~甲州市間は土砂災害警戒区域に指定されている場所が多く、今回の事故発生場所は土砂災害特別警戒区域の近隣に位置するようです。

現場付近は堆積岩と呼ばれる岩盤が露頭している場所で、ここで見られるような堆積岩類は比較的水による浸食を受けやすく風化しやすい傾向があります。
風化を受けやすいということは、変化を生じやすいということになります。

今回の土砂崩れの原因はこれから調べることになると思いますが、現時点で考えられるのは、降雨によって地中に浸透した雨水の重さを支えきれなくなった法面付近の地盤が崩落して、道路をふさぐ形の事故となったのではないかと考えられます。

降雨は自然現象ですから、どこででも生じるわけですが、ある場所で集中して降るような傾向があることは事実です。そして、多量に降った際には地盤が支えられなくなることが傾斜地では生じます。
このことを防ぐために対策工事がしてあるところもありますが、岩盤が露頭しているような場所では強度を期待して対策工事がなされていない場所が残されているのも事実です。

これからの季節、夕立や台風などによる集中豪雨が生じることがあると思います。
また、地震による影響を受けることもあるかと思います。

傾斜地を通行する場合には、普段と変わりがないことを確認しながら通行することを心掛けるようにしてください。

関連コラム