2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震から、間もなく10年が経過します。
あの地震以降、過去発生した地震の規模に関して見直しが進んでいます。
そのことについて少し触れていきます。
・日本付近における地震の大きさ
東北地方太平洋沖地震発生前まで、日本付近における地震は、宝永地震のM8.4~M8.6が最大値と考えられてきました。しかしながら、2011年以降見直しが進み、M9クラスの地震が過去に発生していた可能性が検討されるようになりました。
・津波の大きさ
東北地方太平洋沖地震は、日本海溝沿いで発生した過去の地震と比べて陸地から離れた場所で発生しています。
最近になって、津波の痕跡について地盤調査が行われました。
その結果、東北地方太平洋沖地震よりも内陸側に到達した津波があったことが報告されています。
すなわち、東北地方太平洋沖地震よりも内陸側で発生した、あるいは震源が浅かった、ないしは規模の大きい地震があったと考え
られています。
・過去の地震被害の見直し
これについては、東北地方太平洋沖地震があったかどうかに関わらず進められていた研究である可能性があります。
一つ例を挙げます。
1707年に発生した宝永地震で、これまでの犠牲者は日本全国で4900名~2万名以上とされてきました。2013年に新潟大学の矢田教授が発表した論文によれば、大坂三郷(現在の大阪市中心部)における被害だけで、圧死5,351名、溺死者16,371名であったと公表されました。
この数字の大本は、当時の尾張藩士が残した記録で、幕府の被害報告書の写しと記載されていることから、信ぴょう性が高いものと考えられています。
このほかに土佐藩での被害報告が犠牲者1,844名、紀伊半島で犠牲者1,500名以上と記録されており、明確な記録が残されていないその他のエリアを含めると、実際の被害は現在の公表資料よりもっと大きかったものと考えられます。
・まとめ
これまでに発生した大地震では、多くの方々が亡くなっています。津波、住家倒壊、地崩れ、火災など原因は多岐にわたります。
東北地方太平洋沖地震は、前例のない想像以上の地震で、被害が大きくなったと評価されることが多々あります。
しかし、過去にも大きな被害が生じた地震が発生しており、繰り返し被害が生じています。こうした、被害をすべて抑えることはできませんが、少しでも被害を減らすお手伝いができればよいと考えています。
今回は以上とさせていただきます。
またのお付き合いをよろしくお願いいたします。