地盤地震学会耐震

北海道の地震について

皆様よくご存知の通り、北海道胆振東部地震が9月6日に発生しました。

被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

さて、北海道地方は昔から度々地震の被害を受けてきました。

十勝沖地震、根室半島沖地震、積丹島沖地震、択捉島沖地震、北海道北西沖地震、北海道西方沖地震、北海道南西沖地震などが海溝型地震として知られており、断層型の地震としては標津断層帯、十勝断層帯、富良野断層帯、増毛山地東縁断層帯、当別断層帯、石狩低地東縁断層帯、黒松内低地断層帯、函館平野西縁断層帯、サロベツ断層帯などが知られています。

海溝型地震の中には定期的に繰り返しの地震が発生しているものもあり、発生するたびに津波や震害を受けてきました。平成5年以降に発生した被害地震を挙げると、平成5年1月に釧路沖地震、平成5年7月に北海道南西沖地震、平成6年10月に北海道東方沖地震、平成15年9月に十勝沖地震が発生しています。

今回発生した地震は、断層型の地震であったために、あまり経験のない揺れ方をしたものと考えられます。

このために液状化を含めて被害が大きくなった、と考えられます。

江戸時代後期の天保年間に発生した石狩地震と呼ばれる地震では、現在の札幌駅以北において複数個所で液状化の痕跡が発見されています。また、地盤の状態と地下水位から液状化の発生については予想されていたことであると思います。これは札幌市から公表されている液状化マップにも清田区などでは液状化の可能性が高い場所がある旨の記載があります。

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          ⇑清田区北部  

*図中、中央部下側の黒線で区切られている部分が清田区北部で赤色が液状化の可能性が高い場所、黄色が液状化の可能性がある場所です。

こうした事前の被害予想資料がどれだけ正しかったのかについては、被害状況の詳細がまだわかっていませんのでいずれ別の機会にお話しできたらと思います。

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