先日、りそな中小企業振興財団のセミナーに参加させていただきました。
その内容は「セルロースナノファイバーが変革する日本のものづくり」です。
セルロースナノファイバーとは木材から生産される繊維のことで、その原料となる森林が日本の国土の約7割あるそうです。
そして単純計算すると、およそ1500万トン分のセルロースナノファイバーが資源としてあるそうです。
このセルロースナノファイバーの特徴は「軽量化と強度」です。そしていろいろな分野での活用が期待されています。医療分野におきましては人口血管などに使用されたり、化粧品や自動車部品、航空機部品やIT産業分野など様々の分野で活用されているそうです。
個人的に興味を持ちましたのはソフトクリームへの利用です。通常、気温35℃では8分経過するとソフトクリームが溶けてしまいますが、このセルロースナノファイバーを配合したソフトクリームは、その約3倍となる20分を経過して溶け始めていました。私の子供が小さかったころ、持っていたソフトクリームが溶け始めてしまい、「溶けてきたので早く食べないと・・・」と言っていたことを思い出しました。ナノファイバー入りは便利だなー。ある特定の分野だけではなく、いろいろな分野での活用が期待されているのはとても興味深いと感じます。
質疑応答のときに、講師からセルロースナノファイバーについて日本が一番研究が進んでいるという回答がありました。しかし、韓国でも研究が進んでいるそうでサムスン社はセルロースナノファイバーになる手前の状態を利用して製品としている説明がありました。成型用の型枠は費用がかかるようですが、このセルロースナノファイバー手前のモノがその過程で利用出来るそうです。
日本は専門的なことに特化しがちです。ある意味研究熱心であったり、完璧主義なのかもしれません。そのためか日本では研究段階から市販段階になるまでに多大なる時間がかかります。しかし、海外の企業は即売上になることを考えるようで、研究途中でも売上になるのであればそれで十分なのだそうです。「セルロースナノファイバー」のセミナーではありましたが、ある意味、企業精神も学んだ気がしました。