報告書の構成・読み方の基本
「表面波探査法の報告書はよく分からない・・・」という方のために、地盤調査報告書を分りやすく解説します。
まずは報告書をお手元に
当社や当社の関連会社から送られて来た報告書をまずはお手元にご用意下さい。お持ちでない方は下記の「表面波探査法報告書サンプル」をクリックし、PDFファイルの報告書をダウンロードしてご利用下さい。
報告書の構成
報告書は下記の構成となっております。
表紙 | |
巻頭 | 基礎・地盤提案書 |
巻頭 | 解析条件 |
巻頭 | 技術審査証明書 |
巻頭 | 表面波探査法調査員認定書 |
巻頭 | 調査位置図 |
巻頭 | 目次 |
1ページ目 | 調査概要 |
2ページ目 | 調査方法 |
3ページ目 | 計算式 |
4ページ目 | 調査配置図・敷地状況表 |
5ページ目 | 調査地・近隣状況結果 |
6ページ目 | 支持力計算結果 |
7ページ目 | 支持力地層区分断面図 |
8ページ目 | 沈下量計算 |
9ページ目 | 沈下量計算条件 |
10ページ目 | 区間速度グラフ |
11ページ目 | 支持力換算グラフ |
12ページ目~ | 現場写真 |
そして基本の3つをおぼえましょう
グラフの読み方の基本からご説明いたします。この3つを覚えてしまえば、あとは簡単です。
基本その1表面波探査法の結果は速度値
表面波探査法は表面波の伝わる“速さ”を測っています。周波数を細かく変化させて、深さ方向につぶさに情報を集めていきます。表面波も含めた振動は物質が固いと速く伝わり、軟らかいと遅く伝わります。表面波探査法の結果は、深さ方向に、固い地盤、軟らかい地盤がどのように分布しているのかの情報です。
基本その2区間速度から支持力へ
表面波探査法の結果は、深さ方向の地盤の硬軟の分布を速度値で示したものです。しかし、速度値直接では、どのくらい固いのか、というのが把握できません。そこで、速度値から支持力を計算します。
この結果、表面波探査法を実施した位置において、深度方向に、どのぐらいの支持力を持った地盤が存在している、という地盤情報を得ることができます。
基本その3単位は3つおぼえて下さい
単位 | ||
---|---|---|
Vr | 速度 | 軟らかい物はゆっくりと波が伝わります。硬い物は波が早く伝わります。波の伝わる速度は、物の硬い軟らかいの判断基準になります。波の伝わる早さは支持力に換算することが出来ます。こうして、その地盤がどのくらいの重さを支えることが出来るのかを見極めます。 |
D | 深度 | 探査深度です。 |
f | 周波数 | 波は振動しながら進んでいきます。周波数は1秒間に何回振動するという値です。波動は、波の速度と周波数と密接な関係にあります。 |
コツをつかんでしまえば読むのはカンタン
表面波が耳慣れない上に、速度、周波数といった値が出てきますので、少々分かり難い部分があるかもしれません。
しかし単純に言うと、地面を横からみて、地盤の硬さを浅いところから順番に速度値を表にし、この速度は、地盤の支持力に換算することが出来る、ということです。